短編部門
短編部門・グランプリ(観客賞)
EVERY TIME WE SAY GOODBYE
監督:倉田健次
2014年/16分/ドラマ
出演:前川正行、村上しお、松岡真吾、いまいゆかり、検崎亮、柳田ありす
プロデューサー:前川正行、ミゾモト行彦 撮影監督:菅野宏彰 録音:yuzy. 作曲:加藤久貴 整音:茂木祐介 プロダクションアシスタント:遠藤幸恵 協力:沢井愛子 田中直子 照井康政 エグゼクティブプロデューサー:倉田英明 結城貴史 制作:KURUWA.LLC 脚本 / 編集:倉田健次
あらすじ
妻が末期がんと分かった日、「したい事をなんでも言ってくれ」と夫は言い、「じゃあツチノコを探しに行こう」と妻は告げた。子供を授からなかった夫婦は「ツチノコ」を探して季節を廻る。何処までも妻の為に、何処までも夫の為に、二人は黙って旅をしていく。ただ笑いあって、愛する者の為に、ただ笑いあって。
監督コメント
日本では死者や死に直面した際、瞬間的に哀しみ、弔い、早く忘れようとする風潮があるように感じます。それが悪い事とは想いません。しかし私は海外の人々の様に死者や死にゆく者の夢や意向を、残った人間が誠実に背負い、生き続けていくという考え方にも共感します。本作は実姉の癌から、様々な人々の生死を眺め、知れた事から、初めてこのような題材に向かった作品です。生きているだけで人は可愛いのだと私は想うのです。
監督について
倉田健次
映画監督/脚本家/CMディレクター/小説家。『緋音町怪絵巻』山形国際ムービーフェスティバル「デジタルガレージ賞」、同年ロサンゼルス開催Chanoma映画祭正式出品。次世代を担う映像作家の発掘の為、全世界から選出される「サンダンス・NHK国際映像作家賞」にて『彼女のSpeed』グランプリ受賞。2013年復興支援映画『リトルウィング-3月の子供たち-』全国公開。ハリウッド開催「JAPAN FILM FESTIVAL LOS ANGELES」、山形国際ムービーフェスティバル特別招待上映。花澤香菜主演『君がいなくちゃだめなんだ』脚本/原作小説、菅田俊主演『Bad Moon Rising』脚本など担当。現在、監督/脚本の劇場長編作『藍色少年少女-Indigo Children-』が2016年1月都内劇場公開、全国ロードショー随時進行中。
短編部門
短編部門・審査員特別賞
あの残像を求めて
監督:隈元博樹
2015年/24分/ドラマ
出演:加藤紗希、内木英二、三宅重信
脚本:隈元博樹/撮影:深田隆之/照明:星野洋行/録音:堀修生/編集:冨永圭祐
あらすじ
廃品収集場で働く奈美は、社長の宮西から新人の老年男性である内田をアシスタントにするよう言い渡される。あるとき奈美は彼から8ミリカメラとフィルムを譲り受けることになるが、そのカメラとフィルムには内田のある秘密が隠されていた。
監督コメント
再開発によって変容していく景観とその街に暮らす人々は、どのようにして記憶と記録に結びつくことができるのだろうか。そうした背景に加え、今では数少なくなってしまったフィルムメディアをモチーフに本作品を製作しました。
監督について
隈元博樹
1987年、福岡県生まれ。横浜国立大学大学院都市イノベーション学府博士課程前期修了。2011年に製作した『Sugar Baby』は大阪の「シネドライヴ2012」や、フランクフルトの「ニッポンコネクション2012」など国内外の映画祭へ招待上映され、「第16回 水戸短編映像祭」では審査員奨励賞を受賞。また映画雑誌「NOBODY」では編集委員を務めている。
短編部門
コーヒーとさようなら
監督:佐野真規
2015年/30分/ドラマ
出演:長尾理世、小田篤、香川知恵子、茶円茜、永山由里恵、坂口真由美、吉田庸、高橋隆大、近藤強
脚本:佐野真規 撮影:中瀬慧 プロデューサー:長尾理世、石川貴雄 製作:月刊長尾理世プロジェクト
あらすじ
少し不思議な女の子・リヨは、ふらりと立ち寄ったカフェ・テオで店長が犬になる瞬間を目撃してしまう。その秘密を突き止めようとリヨは店で働きだすが、カフェは閉店する事になり次第に自分の目的と身の振り方に迷いだすのだった…。
監督コメント
一人の女の子がカフェで働く時間を通して、そこにいる「人」と、カフェという「場所」を描きたいと思いました。「人」も「場所」も普遍ではなく、時間の移り変わりとともに、それらの持つ意味が、変化を余儀なくされていく様を映画で描けたらと思います。
監督について
佐野真規
映画美学校フィクション・コース11期高等科修了。修了後、映画美学校アクターズ・コース1期アシスタントを務める。スタッフとして「先生を流産させる会」(内藤瑛亮監督)にて助監督・脚本協力、「パズル」(内藤瑛亮監督)では脚本協力・メイキングなど。監督作に「お姉ちゃん、だいきらい」(2011年「姉ちゃん、ホトホトさまの蠱を使う」+プロジェクトDENGEKIでの併映)。映画美学校アクターズ・コースの修了生らと『月刊長尾理世』として毎月自主短編映画を撮影する試みを行う。今作『コーヒーとさようなら』はその9月号として製作した。
短編部門
れすとえりあ
監督:小崎基広
2015年/30分/ドラマ
出演:阿武勇輝、梅田麻衣、深海哲哉、常山大志、竹野弘識
脚本・撮影・編集:小崎基広
あらすじ
自分の不甲斐なさに耐えられなかったケンジは友人の誕生パーティーから逃げ出し、当てもなく車を走らせた。高速道路の休憩所で目を覚ますと、ケンジはそこで男に置き去りにされた女アヤと出会う。 男に騙されたのだとアヤを諭すが、彼女はそれを信じようとせず、次第にケンジはいらだちを募らせていく。
監督コメント
人生に疲れた男ケンジが、気をとりなおして再スタートを切るまでのちょっとした物語。
監督について
小崎基広
2013年 「4mmベニヤ3枚と半」第8回 田辺弁慶映画祭 映検審査員賞 2015年 「れすとえりあ」第17回長岡インディーズムービーコンペティション グランプリ
長編部門
寝てるときだけ、あいしてる。
監督:川原康臣
2014年/112分/ドラマ
出演:前田多美、関口崇則、笠島智、横山真哉
脚本・撮影・編集:川原康臣、撮影照明助手:米山舞、堀切基和、安川有果、衣裳:藪野麻矢、音楽:寝子、脚本協力:上原三由樹、機材協力:岡太地、制作応援:今村悠輔、横山真哉 制作団体:May Fly
あらすじ
東京のとある町に住む夫婦、若葉のぞみと朝夫。 些細なすれ違いから、喧嘩を繰り返す夫婦だった。 ある日、朝夫の実妹である凛が訪ねてくる。朝夫を溺愛している、凛は明け透けもない物言いで2人の間を引き裂こうとしていく…
監督コメント
生活と絆がほどけていくと同時に結ばれていく様を見つめながら、時間を共にしていってください。見終わったあとも彼女たちのことばや衣擦れ、ため息などがみなさんの記憶にいつまでも残ればうれしいです。
監督について
川原康臣
1980年徳島県出身。2005年監督作品『おわりはおわり』がPFFアワードにて審査員特別賞を受賞。 以降自主映画作品の監督、上映活動を続け、2013年には吉本興業製作『大風呂屋エイジ』が沖縄国際映画祭で上映、 岡太地と脚本を提供し合って製作した『ゆれもせで』『きをつけてね』の連作となる《ぼくらのじしん》を 池袋シネマ・ロサでロードショー。曽我部恵一『バカばっかり』MV、遠藤ミチロウドキュメンタリー映画『お母さん、いい加減あなたの顔は忘れてしまいました』の予告編製作など多岐に渡って活動中。
長編部門
長編部門・グランプリ(観客賞)
園田という種目
監督:太田真博
2015年/ドラマ/93分
出演:松下倖子、社城貴司、白石直也、安部康二郎、野々山椿
脚本・撮影・編集:太田真博 音楽:窪田健策 録音:味澤幸一郎、増田和由 助監督:高村明裕 製作:松田真子、ガノンフィルムズ
あらすじ
園田が釈放された。大学時代の仲間たちは、園田を元気づけてやろう的な会を開き、コールセンターの同僚たちは何も知らずに園田フィーバーに浮き足立つ。ひとりの自主映画監督の逮捕がもたらす、波紋の先。
監督コメント
ごく個人的な想いを作品にしてくれた役者・スタッフ、審査してくださった皆さま、観てくださる方々に、心から感謝いたします。
監督について
太田真博
舞台役者として活動後、06年映画制作を開始。 主な作品は『笑え』(福井映画祭2008観客賞)、『LADY GO』(山形国際ムービーフェスティバル2010グランプリ)、『園田を元気づけてやろう的な』(イメージフォーラム・フェスティバル2015入選)。 松下倖子と、演劇映画ユニット「松田真子」を共同主宰。
長編部門
ハルをさがして
監督:尾関 玄
2015年/93分/ドラマ
出演:小柴大河、佐藤菜月、小泉凱、橋本一輝、才藤了介、洞口依子、小沢仁志
プロデューサー:内藤諭 脚本・監督:尾関玄 音楽監督:遠藤浩二 撮影:栗田東治郎 録音・整音:小牧将人 編集:石川真吾 企画・製作:ISHIO
あらすじ
2012年夏。昇(ノボル)は都内にある学校に通う中学三年生。同じクラスの勝(マサル)、寛樹(ヒロキ)と冴えない学校生活を送っていた。そんな昇が思いを寄せる同じクラスの千恵子は、東日本大震災後、飼っていた「ハル」という名の犬を残し、両親と福島から東京に自主避難してきていた。とある日、昇たちは千恵子から「ハルを一緒にさがして」とお願いされる。4人は福島に向かう。ハルを探すひと夏の冒険が始まった。
監督コメント
中学生を主人公とした映画の構想を練っている矢先3月11日がやってきた。 雪崩の様な情報が押し寄せて来て、その中にこんなスローガンを見かけた。 「福島の子供たちを守ろう」。考え方や立場の違いで、様々な意見がある。 そして、故郷を出て行かざるを得ない人や、残らざるを得ない人達がいる。賛成、反対、安全、危険のどちらかではなく、その狭間で揺れる中学生達を撮りたかった。失ってしまったものが新たに見つかるような、その様な映画を目指した。
監督について
尾関 玄
1984年1月生まれ 愛知県春日井市出身 2006年日本映画学校(現日本映画大学)卒業。 在学中より中学の同級生、内藤諭(「ハルをさがして」プロデューサー)とISHIOを立ち上げ自主製作映画の制作を始める。以降、フリーの制作部、ラインプロデューサーとして数多くの映画、Vシネマ、テレビドラマ、CM等の制作に携わる。今回の「ハルをさがして」は6年ぶりのISHIO企画・製作の作品となる。
長編部門
長編部門・審査員特別賞
少年モン、本当の名前は知らない
監督:加治屋 彰人
2015年/85分/ドラマ
出演:小室ゆら、西野実見、辻元 舞、田中 楽翔
監督・脚本・編集:加治屋 彰人 プロデューサー:津田 智 ラインプロデューサー:田中 洋崇 撮影:花村 也寸志 録音:島津 未来介 照明:福田 裕佐 アシスタントプロデューサー:島田 憲和 制作団体:Chelsea-works FILM 製作:SDP
あらすじ
高校生の楓と梓弓は、アパートの中で一人で暮らす少年を見つける。少年を「モン」と名付け、誰にも見つからないように育て始める。 ある日、児童相談所職員・須貝と出会う。須貝はモンが幼児虐待の一種・育児放棄の被害に遭っているかもしれないと語り始めた…
監督コメント
現代日本において社会問題となっている児童虐待。なかでもネグレクト(育児放棄)に迫った作品。その問題を踏まえつつ、少子化・核家族化による現代日本の育児の不可能性、対他人に対する想像力を著しく欠いた大人たちや、子供への教育。それらを少女らの目を通して描いている。
監督について
加治屋 彰人
1985年大阪生まれ。大阪芸術大学卒業。大阪の池田小学校の事件をモチーフにした卒業制作『chain』や少年犯罪者とその家族について描いたCO2(シネアスト・オーガニゼーション・大阪)助成作品『スクラップ・ファミリー』等を監督。現在は映画・テレビ等での助監督を中心としつつ、幅広い分野で活動している。
アニメ部門
ドロンコロン
監督:伊藤有壱
2012年/3分/アニメーション
脚本:伊藤有壱 撮影:岩槻育子、田隅真由子、大野 幹、細川 晋、早船将人 編集:大村勘也(アオイスタジオ)、池田靖彦 プロデューサー:近藤和之
あらすじ
ひょんなことから生命を授かった土の塊「ドロンコロン」。ドロンコロンは街を出て、春夏秋冬を通じさまざまな生き物とふれ合い、最後はみずから土へと還っていく。
監督コメント
テレビ神奈川40周年記念アニメーションとして制作。2012年4月1日よりtvkで毎朝放送。 視聴者の想像力を引き出すためキャラクターには変幻自在の素材「粘土」を使用。音声も不特定な言語を使用することで世代や人種の垣根を超え、1つの解釈に縛られることなく、観る人がそれぞれの意味を見いだせるような作品となっている。
監督について
伊藤有壱
1962年東京生まれ。 1985年に東京藝術大学美術学部デザイン科卒業後、SFXプロダクション(株)白組、CGプロダクション(株)アクセスを経て1998年I.TOON Ltd.を設立。同取締役代表。 「ニャッキ!」(NHK Eテレ プチアニメ)をはじめ、クレイを中心に幅広く活動するアニメーションディレクター。 日本アニメーション協会理事 東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻教授 大阪芸術大学キャラクター造形学科客員教授
アニメ部門
アチラカセカイ
監督:三島 敦
2015年/アニメーション/20分
声の出演:藤江 舞、大貫詩織、磯田泰寛 脚本・撮影・編集:三島 敦
あらすじ
ロボット研究所の博士は興味の無い事はからっきしダメな性格。研究所はゴミの山で汚れっぱなし。ある日研究所を尋ねてきた一人の女性に一目惚れしてしまった博士は掃除ロボットを作って研究所をキレイにしようと企てますが・・・。
監督コメント
気楽に楽しめるドタバタコメディーアニメーションを目指して制作しました。個人制作が故に自然と登場キャラクターや出来事に自己投影した部分がありますが「人生は喜劇である」の言葉を胸に制作者の実情を表現に込めました。
監督について
三島 敦
Short Shorts Film Festival&ASIA2015 CGアニメーション部門入選 FutureCity Yokohama Award入選 ASIAGRAPH2012 静止画部門Excellent works 受賞
アニメ部門
アニメーション部門・審査員特別賞
I'm here
監督:中内友紀恵
2015年/6分/アニメーション
出演:田中 李々、齋藤 澪緒、柘植 藍子、成田 七海、杉本 友輝、杉原 夏海、山本 楓、福島 広之、吉野 美香、常田 麻衣、鶴田 麻記、金子 美保、田中 みどり、加藤 舞衣、松橋 朋潤、秋生 智之、澤井 光夏
編集:蓮尾 美沙希、辻 かよ子
あらすじ
どこへ向かって良いのか分からないけれど、どこかへ進まなくてはならない。何かを目指さなくてはならない。たえず形を変えながら漂う心は、目的を見つけることで成就へと駆け出していく。
監督コメント
微かな音色、ごく小さなモチーフから始まる今作は映画館の上映でこそ本領を発揮できるであろう作品です。 贅沢な映像音楽体験になれば幸いです。
監督について
中内友紀恵
1989年北海道出身。多摩美術大学グラフィックデザイン学科卒業、東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻修了。幾何図形をモチーフにしたキャラクターや、音楽を題材にしたアニメーションを制作している。代表作「祝典とコラール」「Poker(水江未来氏と共同監督)」など。
アニメ部門
アニメーション部門・グランプリ(観客賞)
かたすみの鱗
監督:石谷 恵
2015年/9分/アニメーション
声の出演:太田梨香子、沢口真生
あらすじ
頭の片隅で鱗が光り、記憶の発掘を始める。迷子になった博物館で出会った館長は、どんな人だったろう。
監督コメント
紙に鉛筆とマーカーで一枚一枚丁寧に描きました。
監督について
石谷 恵
東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻2015年修了 現在 東映アニメーション株式会社 演出助手 大学院1年次作品「あらら(Oh Dear)」 第9回札幌国際短編映画祭 ジャパン・オフシアター上映 新宿クリエイターズ・フェスタ2015アート・コンペティション 【デジタル映像部門】Office24 Sutudio 賞、株式会社シグナル・エムディ シグナル賞 受賞 大学院修了作品「かたすみの鱗(Scutes on my mind) 第11回吉祥寺アニメーション映画祭 プロダクションI.G.賞 第17回 DigiCon6 ASIA DigiCon6 JAPAN 話題賞