短編部門
短編部門・グランプリ(観客賞)
CYCLOID
監督:黒木智輝
2013年/4分/アニメーション
監督:黒木智輝 / 音楽:藤原尚紀
あらすじ
明日のために目覚まし時計をセットし就寝する青年。 私達の視点は、生滅の営みを俯瞰するように動き始める。
監督コメント
この作品は無常観をテーマとしたアニメーション作品です。 物事が移り変わって行く様子の美しさを手描きによる風景アニメーションで表現しました。 変化を受け入れ楽しむことが人生を豊かにして行く、というメッセージを込めました。
監督について
黒木智輝
1990年宮崎県生まれ。2013年、九州大学芸術工学部画像設計学科卒業。2013年九州大学大学院芸術工学部デザインストラテジー専攻入学。本作品はストックホルム国際映画祭、ビルバオ国際映画祭、セントルイス国際映画祭など国内外40以上の映画祭に入選。
長編部門
長編部門・グランプリ(観客賞)
ひだまりのこどもたち
監督:原田真嗣
2013年/67分/ドラマ
出演:吉田貴幸 / 清水克彦 / 岡野淳一 / 市川唯 / 林里奈 / 海中省吾 / 森田朋依 / 久保田淳 / 片岡弘明 / 森沙織 / 大矢静
脚本:原田真嗣 / 撮影:丹羽貴幸 / 浅井一仁 / 高橋祐太 / 田淵和春 / 照明:斉藤徹 / 録音:西澤佑里恵 / 田原イサヲ / 杉浦青 / 吉方淳二(整音) / 助監督:鷲尾温志 / 音楽:金津朋幸 / 編集:原田真嗣
あらすじ
解体工で働く竹内は、港近くの小さな町で無邪気な仲間たちと楽しく毎日を過ごしていた。 ある日、竹内たちの前に薫という青年が現れる。ためらい無く薫を受け入れ、一緒に暮らし始める彼ら。自然とその優しい生活に溶け込んでいく薫。彼らだけの場所だった日常は、薫の存在によって静かにずれはじめていく。 隠れていた気持ち、明らかになる竹内の過去。そして、薫は竹内にある秘密を打ち明ける。
監督コメント
この作品は、集まった役者のみんなからインスピレーションを得て浮かんだ断片を元に、物語にしたものです。 幼さの残る二十歳前後の孤立した若者が、やっと見つけた“大切な場所”。そこで肩を寄せ合い生きる彼らの空気や臭いを、日常の中で丁寧に描きました。 制作するにあたって、スタッフやキャストも含め他にもたくさんの仲間が協力してくれた映画です。 小さな小さな物語ですが、たくさんの人に観て頂けたらとても嬉しいです。
監督について
原田真嗣
1975年生まれ CFプロダクション:ブラウン→ 葵プロモーション→退社/現在フリーランス監督 【短編映画 「ネコのあたまでお散歩を。」 (2011年)】 ・第6回那須国際短編映画祭 コンペノミネート 観客賞受賞 ・ダマー映画祭inヒロシマ2011 コンペノミネート ・第三回下北沢映画祭 コンペノミネート ・福井映画祭2011 コンペノミネート ・第5回ひめじ国際短編映画祭 スタッフセレクション上映 ・第21回映画祭TAMA CINEMA FORUM/TAMA NEW WAVE ある視点 上映
短編部門
短編部門・審査員特別賞
タートルハウス
監督:久保田誠
2013年/22分/ドラマ
出演:菊川恵里佳 / 田中夢 / 山科圭太
脚本:久保田誠 / 降矢聡 / 助監督:小池俊輔 / 撮影・編集:久保田誠 / 撮影助手: 降矢聡 / 秋津琢磨 / 録音:宮田諭 / 音響:秋田茉梨絵 / ヘアメイク:宮村勇気 / 制作:石田晃人 / 坂東明奈 / 神山綾 石川甚敬 /松本晴朗 /加納崇行
あらすじ
冬。東京の西。 ドラマーの道子は、ドラムを気兼ねなく叩ける家を探している。 道子は、不動産会社で働く菜々に空き家を紹介してもらい、2人は内見する。その家は老婆が亡くなって以降、ずっと空き家だった。 そこに名取がやってくる。 彼は老婆の孫だと言い、度々、訪問していた。 菜々は、家のオーナーは変わっていると、名取から鍵を取り上げる。家主不在の中、居合わせてしまった3人が過ごす1日。
監督コメント
かつてそこにいた者、あった物の記憶は、いつかは時の流れの中で忘れ去られる。 だからこそ、僕らはノンキに家を借りたり、旅行に行く。 が、過ぎ去ってしまったものへまなざしを向ける時間が、ふと訪れることがある。 戦国時代へ思いをはせたり、昔書いた作文が出て来たり、追悼、怪談、写真や映画… 本当に起こったこともあれば、そうでないものもあるだろう。 本作の3人は時間の流れに取り残されたような空き家で、そういった時間を過ごす。 そして、新たな記憶をまた1つ残していくのだろう。
監督について
久保田誠
1983年神奈川県生まれ。映像ディレクター。横浜で海と映画を見て育ち、東京で映像制作を行う。 2009年『気楽な商売』が六本木シネマートでのイベント「映画太郎(vol.1)」にて上映。 本作は、アップリンク渋谷でのイベント「アントルラ(vol.1)」にて上映。仙台短篇映画祭2013「新しい才能」部門に入選。
長編部門
長編部門・審査員特別賞
はなればなれに
監督:下手大輔
2012年/86分/ドラマ
出演:城戸愛莉 / 斉藤悠 / 中泉英雄 / 松本若菜 / NorA / 我妻三輪子 / 梶原ひかり / 境浩一朗
脚本:下手大輔 / プロデューサー:大日方教史 / 撮影:灰原隆裕 / 編集:長江悠介 / 録音:與語哲士 制作団体:株式会社Particle Pictures
あらすじ
パン屋で働いていたがうまくいかず辞めてしまった少女クロ、恋人と喧嘩別れをしたカメラマンの英斗、主演女優が降板し舞台上演が危ぶまれる舞台演出家の豪。全く異なる3人が出会い、東京を離れ、ひょんなことから海辺の廃業した旅館で共同生活を始める……。小津安二郎作品の研究をしてきた下手大輔の監督長編デビュー作。
監督コメント
『はなればなれに』は、台詞は最小限に、BGMは生演奏とラジオのみ、可能な限りワンシーンワンカットで撮影するというコンセプトを通して、3人の男女の心の距離感を、シンプルかつコミカルに描いた大人の青春群像劇です。ぜひ、映画祭まで見に来て下さい。
監督について
下手大輔
日本大学藝術学部、早稲田大学大学院で映画を学ぶ。同大学院客員研究員として小津安二郎の研究をするかたわら、奥田瑛二監督に師事し、撮影助手やメイキング担当等として映画に参加。『はなればなれに』が長編映画第1作。同作品は2012年東京国際映画祭(ある視点部門)、2013年ワルシャワ国際映画祭(competition 1-2部門)など10を超える映画祭に出品し、注目を集める。
長編部門
世界
監督:笹井歳春
2013年/142分/ドラマ
出演:山崎彩華 / 安藤まなみ / 小野孝弘 / 村上英美子 / 持田加奈子 / 岡崎絵美 / 瑞季桜織 / 野崎万葉 / 大門美帆 / 佐津美智華 / 岩間優 / 沖田裕樹 / 橘麦 / 田口徹 / 中島美紀 / 笠岡仁 / 岡村ショウジ / 岬万泰 / 鈴木良一 / 眞田里花子
監督・脚本:笹井歳春 / 撮影:十河直弘 / 録音:渡邉聡 / 照明:植松満里奈 / ヘアメイク:上田愛 / 音楽:小澤礼生 / VFX:山本徳 / 題字:利根川秀佳 / 助監督:石王啓太 / 制作:山田晃歳 / 太田悠 / 佐々木秀夫 / 鈴木理英 / 疋田晃己 / 十文字美賀 / 上名ありす / 伊丹大輔 / 長宝綾果 / 高橋雅紀
あらすじ
ゴリラってのは倒すもんじゃない!ブッ殺すもんなんだよ!! 言葉による共鳴 父と娘の新しい世界が始まる
監督コメント
この作品はエンターテイメント性を強く意識して造りました。 とんでもない世界になっていますが、ポップで観やすく楽しめるように出来上がったと思います。 この作品を観て、楽しみながらも、なにかに共鳴していただけたとしたら嬉しい限りです。
監督について
笹井歳春
2012年、学生時代の仲間と映像制作団体「ホワイトハウス」を旗揚げする 同年、監督・脚本を務めた「マージナル」にて福岡インディペンデント映画祭60分部門グランプリ+主演女優賞を受賞 現在、新作を製作中
短編部門
きたかたたけとし
監督:内藤壮平
2013年/29分/ドラマ
出演:木村知貴 / 首藤誠也(武者ノイズム) / 山崎智恵 / 宮部純子 / 阿部敬史 / 後藤謙太
あらすじ
毎朝、新聞を配り、ジュースを飲み、河原のベンチで食パンを食べる。同じ景色の中、同じ事を繰り返す男・きたかた(木村知貴)。彼は自分の名前が言えない。小学生の頃から「か行」が極端にどもってしまい、「き」がどうしても出てこないのだった。ある朝、代わり映えのない風景の中に彼はあるものを見つける。それは「矢部吃音矯正所」と書かれた一枚の看板だった。
監督コメント
本作「きたかたたけとし」は、吃音障害を持つ男(きたかたたけとし)と、彼を取り巻く人々をコミカルに描いた作品です。 肩肘張らず、気楽にご覧いただければ幸いです。よろしくお願いします。
監督について
内藤壮平
1986年、大分県出身。大学卒業後、バンタンデザイン研究所にて学ぶ。 映像製作団体「石倉」代表。過去作に「野良犬たち午後」「堀人」。
短編部門
やみのけ
監督:仲本有里
2013年/7分/アニメーション
監督・造形・アニメート・編集:仲本有里 / 音楽:佐藤亜矢子 / 音響:椎葉爽
あらすじ
路地裏には、表に無いものが沢山ある。 路地裏では、表では起こらない事が起こるかもしれない。
監督コメント
モノの持つ「気配」を表現したくて制作しました。モノへの自分なりの精一杯の愛情表現です。なぜ、立体アニメーションを制作するのか、自分に問いながら作りました。
監督について
仲本有里
東海大学教養学部芸術学科デザイン学課程卒業。 ショーの運営や美大職員として働く傍ら「アートアニメーションのちいさな学校夜間立体コース」の受講をきっかけにアニメーション制作を開始。 2013年3月東京藝術大学大学院映像研究科アニメーション専攻修了。
長編部門
くにこマイル
監督:渡邉高章
2013年/29分/ドラマ
出演:亜矢乃 / ミョンジュ / 狗丸トモヒロ / カイマミ / 舟見和利 / 鈴木正子 / 山家浩 / 岡崎絵美 / 松井美帆 / 星能豊 / 小林美萌 / 露木健太 / 古川貴朗
音楽:押谷沙樹 / 制作:渡邉美帆 / 脚本・撮影・編集・監督:渡邉高章
あらすじ
国子は、恋人の浮気が原因で捨てられ、どこ行くあてもなく仕方がないので昔の男たちを頼ります。腹ぼてヤンキーと結婚予定の小池君、テント暮らしの変わり者水田と手伝いの佳子さん、新興宗教に入った直やんのお父さんなどなど。その遍歴には悲しい事や楽しい事や温かい事があって、国子の心に何かを残していくのでした。結局行き場を失い田舎に帰る国子、そこで家出娘の人生と交差するのでした...国子が参る、国子のmile、くにこマイル。さてさて国子はどこへ行くのやら。
監督コメント
ひとつ人生を歩いてきた中で様々な出会いと別れがありましたので、その後日談を書こうと思ったのが本作が生まれたきっかけです。それにしてもその別れをもう一度やろうってんだから、僕から見たら実に頼もしい国子であります。国子はきっとみんなを覚えている優しい子です。短い時間ですが、国子と一緒に過ごした時間が、あなたにとって少しでも有意義な時間でありますように。願わずにはいられません。
監督について
渡邉高章
1995年日本大学芸術学部映画学科監督コース入学。卒業後、ドラマ・映画等の演出部、制作部を経て、2004年自身の制作団体「ザンパノシアター」を立ち上げる。現在は会社員の傍ら休日にて創作を続ける。2013年、水戸短編映像祭に『多摩川サンセット」入選。第一回渋谷短編映画祭に短編「SHIBUYA AM」が正式出品作品として上映される。
短編部門
雑音
監督:上原三由樹
2013年/18分/ドラマ
出演:春川芽生 / 太賀 / 横山真弓 / 中台あきお
脚本:上原三由樹 / 撮影:田辺清人 / 編集:遠藤大介
あらすじ
高校生の歩は、つき合って1年になる彼氏の子供を妊娠している。歩は学業優秀、進学も目前に控えている。歩は、決断を迫られる。その決断をした自分を自ら受け入れなくてはならない歩。様々な思いが変化していくのだった。
監督コメント
日本では人工妊娠中絶をする人が1年で20万人を超えます。命のことを考えたとき、命を宿した女の子の気持ちを大切に考えた映画を作りたいと思ったことが、制作のきっかけです。中絶を決意した女の子が自責の念にかられることがあったとしたら、そっと寄り添ってくれる誰かがいてくれると良いなと、心から思います。
監督について
上原三由樹
伊参スタジオ映画祭短編の部シナリオ大賞受賞「ひょうたんから粉」(2008) 「口腔盗聴器」(2012)桃まつりpresentsすきに参加。同作では、福井映画祭審査員特別賞受賞。
短編部門
キメラガールアンセム
監督:ワタナベカズキ
2013年/30分/ドラマ
出演:伊神忠聡 / カタヨセヒロシ / 阿久沢麗加 / 菊池佳南 / 菅原佳子 / ほりかわひろき / 武谷公雄 / 竹尾一真 / 藤枝直之
脚本:作者本介 / 撮影:増田直人 / 編集:ワタナベカズキ 制作団体:三代川達
あらすじ
初日、7六歩を打ち始めたころはまだ雨が続いていた季節で、それから10日過ぎてお互い矢倉だろうなと言う頃になってもやはり雨で、そのあたりでもう僕は断続的に続けていた会社勤めをやめていた。ディスプレイに映る、あちこちの身体を無理やりに繋げた怪物は、キメラは、君は、もう僕よりはるかに強い棋力を持っていた。 【君と将棋を指す。 ただし一日一手ずつ、23時59分までに1手を指す。 それ以上は手を早めないし、それ以上は手を遅めない】
監督コメント
僕らは自分で作った機械をコントロールできているのか?もしかしたら、自分で作ってしまった怪物に苦しめられているだけではないのか?
監督について
ワタナベカズキ
1983年千葉県生まれ。日本大学芸術学部放送学科卒業。三代川達所属 テレビ制作会社勤務を経て現在フリーの映像ディレクター。最近では多数の演劇公演に映像ディレクターとして参加。 また自主制作の活動も続けており多くの映画祭で入選、受賞をしている。