短編部門 グランプリ (観客賞)
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「CYCLOID」 監督:黒木智輝 |
この度はこのような素晴らしい賞を頂きありがとうございます。 短い尺なのですが、私の作品を見てくださった観客の皆様が、少しでも楽しんで頂けたなら幸いです。 ただ、映画祭当日は別のイベントがあり参加できなかったのが心残りです。 機会があれば一度福井にも足を運んでみたいと思います。 これを糧にこれからも制作活動をがんばりたいと思います。 ありがとうございました! 黒木智輝 |
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長編部門 グランプリ (観客賞)
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「ひだまりのこどもたち」 監督:原田真嗣 |
この作品は、テーマが重く物語の流れも坦々としたものでしたので、相当な自問自答を繰り返し、苦しみながら完成に至りました。そんなことを思い返すとグランプリを頂いたことは感無量であり、本当に嬉しいです。ありがとうございます。 ノミネート作品が強豪揃いでしたので、正直賞を獲れるとは思っておらず、お茶を飲みながらのほほんと終幕を迎える福井映画祭の余韻に浸っておりました。受賞挨拶では頭の中が空っぽなまま饒舌なトークができず、失礼致しました。 画を作ることに、僕には身を削るような辛さや怖さが付きまとってきますが、この映画祭で色々なヒトと出会い、たくさんの刺激や勇気を頂きました。 今後とも、根底に遊び心を忘れずに映画を作っていきます。 原田真嗣 |
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短編部門 審査員特別賞
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「タートルハウス」 監督:久保田誠 |
福井の映画祭で東京ロケの作品がたくさん流れることは、実はおかしなことなのかもしれません。しかし、ロケ地を意識せずに映画を見るのも確かで。子供時代に見た『ゴジラVSビオランテ』が福井ロケなのを最近知りました。舞台もロケ地も東京の本作。僕は鯖江で見て、福井が舞台と錯覚する不思議な感覚に陥りました。 本作は「見知らぬ土地に住む」お話。住んできた場所を突然失うことが現実に起こる中、土地の記憶とその上に住む人の関係に触れるのはごく自然なことでした。 東京→仙台→福井と上映させて頂く中、見知らぬ土地に向ける登場人物のまなざしが、実在する場所へ向ける観客のまなざしにつながっていたとしたら…きっとそれが、映画が遠く離れた「無関係の」土地とつながる瞬間なのかなあ、なんて楽観的に思えました。ありがとうございました。 久保田誠 |
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長編部門 審査員特別賞
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「はなればなれに」 監督:下手大輔 |
映画祭とはなんでしょうか。受賞とは何でしょうか。私がこの一年考えてきたことの大切なテーマの一つです。それは、価値ある評価でしょうか?映画にハクを付けるためのものでしょうか?受賞する名誉、チャレンジ、映画に込めた自分の考えを表現する場でしょうか? 様々な映画祭に参加して辿り着いた結論は、映画祭に参加するということは、映画を通して自分自身が何を考え、どういう映画を撮ったのか、また次回は何を撮りたいのかを教えてくれる場であるということです。この考えは、映画監督が自己表現の場として映画を撮影するという一般的な考え方からは相反するようにも見えます。 海外の国際映画祭のインタビューやQ&Aは毎回必ず、映画のテーマは?何を表現したいのか?などの一般的な質問から思いもよらない質問まで、沢山の質問が飛び交います。映画とは、映画作家が自分自身の内側を深く掘り下げて、自分と対話して作品の構成を練り、映像というカタチに残すものです。ただ出来上がった作品に対して新たな価値や監督すら意識しなかった隠れた視点などがインタビューやQ&Aで掘り起こされることも多々あります。その発見こそが、映画祭の醍醐味です。 受賞は、過酷な映画製作に対するささやかなご褒美です。なによりこの映画に関わって頂いたすべての方に良かったと思って頂けることは、本当にありがたいことです。一方で、映画祭でノミネートされたすべての作品は素晴らしい作品ばかりであり、映画祭側が議論に議論を重ねて選らんだものですから、そこからまた受賞作品を選ぶということは運以外の何者でもないとも思います。 では真の映画祭の勝者とは誰でしょうか?それは誰よりも観客、映画祭スタッフ、映画祭に参加した監督•俳優たちとコミュニケーションを取り、自分の映画に対して率直な意見交換ができる人だと思います。 「はなればなれに」は幸いなことに、ワルシャワ国際映画祭や東京国際映画祭など世界の11の映画祭にノミネートされ、今年は大阪、台湾、イスラエル、ポーランド、スペインなどに行くことができました。様々な映画祭に参加して思い出す言葉は、ジャック•リヴェットの、予算の大きい映画と小さい映画があるのではない、大きい監督と小さい監督がいるだけだ、です。福井映画祭は、小さな映画祭であり、スタッフはみなボランティアですが、スタッフ全員の志は本当に高く、良く練られた素晴らしい映画祭であり、その意味において、本当に大きな映画祭だということです。また鯖江に帰ってこられるよう映画製作に励みたいと思います。 下手大輔 |