福井映画祭とは

  はじめまして。福井映画祭2007の実行委員長の有元と申します。

  福井映画祭は、自主制作映画を今までにご覧になられたことのない方に、自主制作映画をご覧いただき、“自主制作映画もまんざら悪いものじゃないな”と知っていただきたいという考えで開催される映画祭です。

  どんな映画祭もその第一の目的はご覧いただく場の提供です。そしてそれ以外の目的がその映画祭自身の色となるのだと思います。全国には意外と数多くの自主制作映画を上映する映画祭があります。その中には、未来の才能を発掘するとか、将来の映像文化の発展とか、大きな目的を掲げる映画祭もあります。
  では、私たち福井映画祭の色とは一体何なのでしょうか?

  福井映画祭は第1回の開催からずっと大切にしているキーワードがあります。それは「伝える」ということです。
私自身も作り手の端くれなもので、作品を制作する際に色々と悩むわけなのですが、その悩みのほとんどが“伝える”というキーワードを根底に含んでいるといつも実感させられます。
  「この作品を見てくれる人に自分は何を伝えたいのだろう?」「どうして伝えたいのだろう?」「どうすれば伝わるのだろう?」
  これは映画製作をする全ての人が直面する問題であり、すべての作品の根本にあたるものだと思います。この映画祭では、そんな“当たり前”を大切にしたいと考えています。

作品は本来、自分の知らない第三者に自分の何かを伝えるもの—。
  これは非常に不思議な事実だと思いませんか?  愛している人にラブレターを書く…  自分を心配してくれる人に ありがとうの電話をする…  私たちは何かを伝える時、その誰かはいつも確定的です。
  でも、映画はいつも不確定なんです。作る側は一切面識の無い人に向けて自己主張をする…よく考えてみれば不思議な光景です。でも、それを非難するつもりは一切ありません。むしろ、その一見不可思議な行動が生む新しい可能性を信じて、大切にしたいと私たちは考えています。
  私たち、福井映画祭は、あくまで来ていただいたお客様に自主制作映画をご覧いただく場の提供です。自主制作映画もまんざら悪いものじゃないなと思っていただけるだけでも幸いです。それに加えて、お客様である あなたに作品が何を伝えようとしているかを感じていただき、そしてお客様自身も何かの成長や発見のきっかけになっていただければ、私たちの映画祭はきっと、単に上映するだけで終わらない、来ていただいたお客様にも作品の製作者の方にも意味のある映画祭になると信じています。

  福井映画祭は、今年で第2回目を迎えます。まだまだ右往左往の状態の映画祭ではありますが、スタッフ一同福井映画祭の本番当日に越しになった皆様、製作者の皆様に笑顔でお出迎えできるように取り組んでいきます。

  全国からのたくさんの作品の応募、そして、福井映画祭当日にお越しになる皆様のことを心よりお待ちしております。

2007.7.25  福井映画祭2007  実行委員長  有元真一