福井映画祭9th 結果発表&受賞監督コメント

  短編部門 グランプリ (観客賞)

「怪獣の日」

監督:中川和博

「怪獣の日」が観客賞を頂いたと知ったのは、会場にいた母からの電話でした。 鯖江市は母の実家で、親族も映画祭に参加していました。母は会場に伺えなかった私に発表後すぐ連絡をくれたのです。仕事終わりの疲れが一気に吹き飛びました。
今回の受賞は私にとって二つの意味がありました。
一つは母の故郷で受賞できたこと。
もう一つは、原発の問題を抱える福井で受賞できたことです。
本作の怪獣は、原発や核のゴミの象徴です。
3.11が日本に突き付けた様々な問題。崩壊する安全神話や、立場による考えの違い…
そんな事をテーマに作った映画が福井の皆様に受け入れて頂けたことがとても嬉しいです。本当にありがとうございました。

中川和博

  長編部門 グランプリ (観客賞)

「ファンタズム」

監督:武田真悟

2010年に前作『チルドレン』を上映していただいてから、いつか必ず、この福井映画祭に戻ってこようと強く願っておりました。念願が叶い、その機会を頂けたことにとても感謝しております。本当にありがとうございました。
最新作は“ホラー映画”でしたので、入選はもちろんのこと、観客の皆様が賞に選んでいただいたことにとても驚きました。福井映画祭に参加される皆様の映画に対する真摯な姿勢に本当に感服いたしました。上映後にはたくさんの感想を頂きました。その一つ一つがこれからの映画作りの励みになると思います。どんな形であれ、新作の映画を携えて、またこの鯖江に戻って来られるように精進いたします。本当にどうもありがとうございました。

武田真悟

  短編部門 審査員特別賞

「私は知ってる、私は知らない。」

監督:澤田サンダー

いままで賞を幾つか受賞する機会がありましたが、もう駄目かな、もうそろそろ潮時かな、そう思うと賞を受賞する事がこれまでの人生で多かった気がします。つまり、賞が無ければどこかで辞めてしまった可能性は非常に高い。
人に認められたくて作品を作っているのではない、という人もいるかもしれません。しかし、私はそうではありません。
鯖江では実行委員長を含め、特にスタッフ方々に凄く気持ち悪いくらい作品を褒めてもらっていたので、今思い出すのはその事です。私は強い人間ではないので、こういう経験は本当に嬉しいです。そんな鯖江の方々と出来たら次回作のお話を出来ると嬉しいと思いつつ、受賞の言葉とさせていただきたいと思います。

澤田サンダー

  長編部門 審査員特別賞

「ガンバレとかうるせぇ」

監督:佐藤快磨

現在アルバイトで生計を立てながら映画を撮っている僕には、 このまま映画を撮り続けていけるのかという問いが常に心の中にあります。
将来への期待と不安が入り交じってグチャグチャです。
そんな中で福井映画祭の方々にノミネートしていただいたこと、しかもこういった素晴らしい賞をいただけることは大変幸せですし、福井のみなさまに「ガンバレとかうるせぇ」へのご感想をいただくことで、映画をまだ続けてみようという大変励みになりました。
連夜の飲みの席でも嬉しい出会い、再会がたくさんありましたし。
すべて足りませんが、明るいこと、努力すること、誠実であることを忘れずに、精進して参りたいと思います。
このたびは誠にありがとうございました。

佐藤快磨